ビジネスとバリアフリー

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「一日一生懸命働いても数百円程度。こんな給料しか貰えない。人間として扱われていないのです」

こう訴えたのは、ある大学で開催された精神障がいに関するシンポジウムで、客席にいた統合失調症の当事者の若い男性の方でした。

私もそのシンポジウムに参加していましたが、その男性はしっかりとした口調で、とても冷静で、とても論理的で、非常に説得力に満ちた主張をされていました。

正直、統合失調症とは思えない程、理路整然と現状の障がい者就労支援を批判していて、驚くのと同時に「この人は就労継続支援の事業所で働くよりも、起業したほうが成功するのでは」と思ったのを良く覚えています。

なぜこの話を冒頭に書いたのか。
それは、10万人に1人がなるという難病「脊髄性筋萎縮症」に罹りながらも、ウェブ制作会社を19歳で立ち上げた佐藤さんの著書を読んで、不意にシンポジウムの男性のことを思い出したからです。


『十九歳で社長になった重度障がい者の物語 働く、ということ』著:合同会社仙拓 社長 佐藤仙務

この著者は養護学校を卒業した後、働く場所がないことから同じ病気をもつ友人と会社を立ち上げます。
指先を1センチしか動かせない「寝たきり社長」は、コミュニケーションを武器に仕事を獲得していきます。

こうした実例を見ると、もっともっと起業する障がい者がいてもいいのではないかと強く思います。

もちろん、賃金(工賃)が安くても企業や事業所で働くほうがいいという方もいるでしょうし、みんながみんな起業する必要はないと思いますが、障がいがあるというだけで可能性の芽を摘むのは非常にもったいないです。

「案外ビジネス社会のほうが俺たちにとってバリアフリーなのかもしれないな」

この著書にある副社長・松元さんによる、仕事は障がいが有るかどうかに関わらないことに気づいた社長に対する言葉です。

段差をなくすとか、点字ブロックを設置することだけがバリアフリーというわけではないのかもしれませんね。