資金決済法と収納代行サービス(と民泊代行)

投稿日: カテゴリー: 民泊・ゲストハウス

今回は金融サービスに関するテーマを取り上げます。

 

みなさんは電気代をコンビニで支払ったり、あるいはインターネットのオークションサイトで落札・購入したときに代金をそのサイトに支払ったりすることがあると思います。

 

このときのお金の流れは、

 

支払者 → オークションサイトなど → 出店者

 

といった形になるでしょう。

 

このように、場所が離れている者との間で直接現金を輸送せずに、資金の移動を取次ぐような取引が「為替取引」とされ、資金決済法における資金移動業に該当する可能性があります。

 

「資金移動業」とは、銀行等以外の者が為替取引(少額の取引として政令で定めるものに限る。)を業として営むことをいう。(資金決済法第2条第2項)

「為替取引を行うこと」とは、顧客から、隔地者間で直接現金を輸送せずに資金を移動する仕組みを利用して資金を移動することを内容とする依頼を受けて、これを引き受けること、又はこれを引き受けて遂行することをという(最三小決平成13年3月12日)

 

資金移動業に該当する場合、資金移動業の登録が原則として必要であり、登録の要件がかなり厳格で、スタートアップ・ベンチャー企業などにとっては参入障壁が高く、そもそも登録されるケースは少なく、平成29年7月31日現在で50社しか登録されていません。

金融庁 資金移動業者登録一覧

 

ところが、インターネットサイトでは、資金移動業の登録をしていないにも関わらず、取引の代金を取り次いでいるように見えるところが多くあります。

 

実は、資金移動業の登録をしなくても、代金の立替払いを行えるスキームがあり、「収納代行サービス等」と呼ばれています。

金融審議会金融分科会第二部会報告において言及され、両論併記の形で記載されているものの、現在でも特に許認可の規制なく行うことが可能となっています。

 

今後、規制の対象とされるのかは不明ですが、広く一般に利用されているサービスですので、何か大きな問題が発生しなければ、そうすぐに規制される流れにはならないように思われます。

 

どのようなスキームを組めば良いのか、専門の弁護士等にご相談いただくとして、今回このテーマを取り上げた理由は、民泊運営代行業者が宿泊代金を受領する行為が、この為替取引に該当する場合があるのではないかと気になったからです。

 

代行業者が宿泊契約の主体(宿泊サービスを提供する者)と考えるならば、単に自己の債権として宿泊代金を受領するだけの話ですが、宿泊代金の回収の代行と考えるならば、上記の規制について検討しておく必要があるように思います。

 

ホストに代わって代行業者が宿泊代金の請求をしたり、ホストが代行業者に宿泊代金の債権を譲渡するといった方法の場合、弁護士法サービサー法との抵触にも気をつけなければならないでしょう。

 

民泊に関連してこのあたりについて言及しているサイトが見当たりませんが、民泊新法の施行後、代行業者が増加すれば、いずれ問題になるように思います。(例えば、宿泊代金や賠償金等を支払わないゲストに対して、代行業者がホストに代わって請求したため、弁護士法違反に問われるなど)